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犬と暮らす

咬まなくていいんだよを伝える難しさ1

今年に入って最初に書いた【犬と暮らす、ということ】というブログ

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わんちゃんのお手入れをしていて、最近とても両極端な経験をしました

・トリミングテーブル上でお腹出して寝ちゃうわんちゃん
・何もしてなくても突然スイッチが入って咬みついてきちゃうわんちゃん
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突然ブログを書き始めたきっかけは、実は
この「突然スイッチが入っちゃう」モコちゃんの来店でした

One-to-Wanでは必ず、初めてのお手入れ前に
わんちゃんを連れて初回カウンセリングに来ていただいています

このときに、飼い主さまのお話を伺い、モコちゃんの様子を見て…
犬を飼っていて、楽しいなー、幸せだなー、と感じられないなら、それって何かが間違ってる!
という気持ちが込み上げてきて、ブログを書きました
もしも

私と同じ…、うちと同じだ…

と思う方の目に触れることがあったら、一刻も早く行動を!と思いながら

いつか犬と暮らしたい、暮らしてみたいと思っている方
これから犬を飼おうと思っている方
今現在、わんちゃんと暮らしている方…の中で、特に「こんなはずじゃなかった」と思いながら暮らしている方

に、伝えたいこと、伝えなきゃいけないことがあるんだ、とわかったから
ブログを書き始めたんです

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そして今回のブログは、そんな方たちに加えて
同業のグルーマーさんたちに対しても伝えたい、と思うことがあり、書き始めました

長くなりそうなので、分けて書く予定です
ぜひ、トータルで読んでいただけたらと思います

ご来店のきっかけ

今年に入って少し経った頃
新規ご利用を希望するお電話をいただきました

驚いたことに、ひとことめ…
「あの~、うちのコ咬むんですけど、やっていただけるんでしょうか…」

思わず笑ってしまいました!
ひとことめ!(^-^;

「あー咬むんですか…💦」

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ことの経緯はこうです

わんちゃんは11歳
それまで通っていたサロンさんをお断りされる形になり
受け入れてくれるサロンを探してネットで検索していたそうです

キーワードに「咬み犬」( *´艸`)

いや、笑いごとじゃないのはわかってます、もちろん!

でも、One-to-Wanのホームページを作成するときに
まさか「咬み犬」というキーワード検索で来てくださるお客さまがいるなんて
想像もしていませんでした(笑)

「咬み犬」がひとことめになったのは
飼い主さんなりの理由がありました

咬むことを理由に断られた以上
咬むことを前提に受け入れてくれるサロンを探すしかない
犬種はプードル
健康を維持するためのお手入れに絶対に必要な、トリミング(カット)が必要な犬種です

どうしよう…見つからなかったら

だから検索キーワードが「咬み犬」だったわけですが
検索で表示されるサロンのホームページを見ると

咬み犬お断り

だから、検索にひっかかる(笑)

うん、まあね、当然と言えば当然です
グルーマー(トリマー)の命は、手(腕)です
これをやられてしまったら、お仕事道具のハサミが持てなくなります
お仕事できなくなっちゃいます

それより何より、痛いし!危険だし!

みんな、わんちゃんが好きでこのお仕事をしてるんです
少なくとも、わんちゃんが好きだからこの仕事に就きたいと思って志したんです

なのに、大好きなわんちゃんに咬まれて、トラウマになって…
お仕事できなくなるグルーマーだっているんです!

ママさんは「咬み犬お断り」という記述を見るたびに
ここもダメだ、ここもダメだ、と思いながら見ているうちに
One-to-Wanに行き着いてくださったそうです(^-^;

私、なんて書いたんだっけ?笑

改めてホームページを見てみると
「病気や障がい、噛み癖のあるのわんちゃん、肥満・高齢のわんちゃん、緊張やトラウマで暴れてしまうわんちゃんにつきましては必ず事前にご相談ください」
と書いてあります

うん、なるほど~(^-^;
確かに、咬み犬お断り、とは書いてありませんね♪

正直言って、別に、咬み犬ウエルカムなわけではありませんヽ(^。^)ノ
やらなくて済むなら、私だってやりたくないです
大好きなわんちゃんと楽しいお仕事ができる方が絶対にいいです♪

でも、「咬む」 → 即、お断り!なわけでもありません
それは、上記のわんちゃんたちすべてに言えることです

飼い主さまとお話させていただいて、わんちゃんにとってのリスクも、私にとってのリスクもご説明し
サロンでできること、飼い主さまにやっていただきたいことなどを共有した上で

必要なご協力をしていただけるのであれば
一緒にケアしていきましょうね、一緒にがんばっていきましょうね

そんな気持ちでお受けしています(^^)

初めて会ったモコちゃんは…

ママさんの話によると、咬むようになったのは1歳になった頃
突然だったそうです

うん、咬み始めは突然かもしれないですけど
それまでに、「きっかけ」となる出来事がたくさんあって
モコちゃんにとっては、すべてを「お口を使って解決できる」と学習してしまい…
なおかつ、いろんなことが、手っ取り早かったんでしょうね…(;´・ω・)グッスン

モコちゃんに会ってみると、とても頭がいい
そして、全身から緊張感が漂うわんちゃんでした

「かわいそう」という言葉は、もしかしたら失礼なのかもしれませんが
それでも…私には
モコちゃんがかわいそうで、仕方ありませんでした

お話も後半に差し掛かった頃
用心しながら、そーっと抱っこさせていただきました

全身カチコチで、小さな体にものすごい力が入って、緊張していました
一時の緊張じゃなく、なんというか、常に無駄な力が入って強張っている感じ
身体も、心も

こんなんじゃ、疲れちゃうよね。。。

私がこの業界に入るきっかけとなった、一番最初の勉強はドッグマッサージでしたから
ああ、こんなに力が入って…かわいそうに、という方に、徐々に思考が集中していってしまいました

ママさんとお話しながらモコちゃんの身体に触れるうちに…咬み犬ちゃんだったということをすーっかり忘れてしまい💦
指をがっつり咬まれていました(;´Д`)

ホンの一瞬の完全に思考がお留守になったその瞬間
気が付いたときには既にモコちゃんのお口の中に💦

ぽたぽた落ちる血を見て、お母さんの方が「大丈夫ですか!?」とちょっと焦り顔

うん、大丈夫なわけないよね(^-^;

でも痛みを感じたのはもう少し後の話で
なんというか、私も含めて誰もかれもが敵みたいな…
そんな感じがして、かなしくて、さみしくて、仕方ありませんでした

これまでのこと、特に今までのトリミングサロンでのお話をお伺いして
ハードルが非常に高いことは理解できましたが

まずはやってみないことにはわからないことをお伝えして
初回トリミングの予約をしていただきました

以前のサロンでのこと

細かい話は書きませんが
One-to-Wanに来店いただいた時点で、4ヶ月間お顔のカットができていませんでした

…なので、もしゃもしゃ
かわいいとか、かわいくないとか、それ以前に
私はお手入れ(グルーミング・トリミング)は、健康維持のためにある、と思っています

目に入っちゃう被毛
お口に入っちゃう被毛
それがとても気になりました

1歳から咬み始めたモコちゃんのトリミングは
ずっと変わらず同じサロンで行われていました

結果的にお断りに至る前の半年間くらいは
サロンに連れて行ったママさんが手伝う形で…
つまり、ママさんが動けないように押さえる形で、グルーマーが爪切りをしていたそうです
それ以外の作業はグルーマーがひとりで行っていたとのこと

昨年、暴れてしまって脱臼、のような出来事があり
最終的にお断りに至ってしまったようですが、正直…

なんでもっと早く手放してくれなかったの!?
と思わずにはいられませんでした

もちろん、できるだけのことをやってあげたい、と思っていたんだろうと思います
心やさしいグルーマーさんだったんだろうと思います

でも、11歳になって、新しいお店を探すんです

立派な高齢犬、しかも咬みついてきてしまうわんちゃん
11歳になって咬むようになったわけではなく、1歳から咬み始めて、なんと10年ものキャリアが出来てしまっているんです

10年ものキャリアを積ませてしまう前に
プロとして、できることがあったんじゃないでしょうか?

言っても仕方がないこと、とはわかっていながらも
ママさんとこれまでのトリミングのお話しをするたびに
どうしてもっと早くに…
と思ってしまいます

勘違いしないでいただきたいのですが
わたしなら出来る、みたいな、傲慢な考えは一切ありません

ただ

自分の手に余るなら
力で押さえつけるしか自分には手がないと思うなら

無駄に咬みを強化する前に
咬みを強化せず、咬む必要がないんだよと伝えられるドッグトレーナーやグルーマーに橋渡しすればよかったんじゃないか

と思います

私は一番に、飼い主さまであるご家族の責任だと思います
ですが、モコちゃんにかかわった、グルーマーの責任も大きいと思います

プロなんですから

これは自分への戒めとしての言葉でもあります

人ひとりができる事には限界があります

「自分だけ」で手に余るなら、自分だけで抱え込まないで
助けてくれる人を、アドバイスしてくれる人を、プロなら真剣に探すべきです
自分のために、もありますが
何より、わんちゃんと、飼い主さまのために

それが、わんちゃんと飼い主さまの幸せをお手伝いすることだと
私は、思います

反論のある同業者もいるかもしれません
意見の異なるプロの方もたくさんいると思います

だから、前のグルーマーはモコちゃんのトリミングをし続けたんでしょう
力づくででも…

その結果としての本気咬みです
モコちゃんは、咬みついたら簡単には離しません

冒頭のこの写真は
初回のお手入れ後に撮った写真です

また次回書きますが
笑った瞬間、あ!笑った!!と大騒ぎをしながら、夢中でシャッターを切ったときの写真です(*´▽`*)

この笑顔が私にとっての
そして、飼い主さまにとっての、希望の光となりました

One-to-Wanのトップページに書いてある通り

One-to Wanは「単なる美容」ではなく
「心と身体の健康を重視したお手入れ」を提案する、笑顔いっぱいのサロンです

モコちゃんの心からの笑顔と、緊張からの解放を目指して
真剣にモコちゃんと向き合う日が続いています

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