さて、昨日のブログ【犬のお耳についての考察 ~犬の垂れ耳・立ち耳のお話】に続いて
お耳汚れ(耳垢)に関するお話です
お耳の話のはずなのに、なんでチョコレートの写真が。。。ヽ(^。^)ノ
実は、完全に、すっぽりと、100%忘れていたバレンタインデー…のチョコレート
今日、サプライズでいただきまして(^-^;
写真だけ撮って、それを頬張りながらブログを書いています(笑)
さて、本題です!
トリミングサロンの標準メニューでは大抵の場合、耳掃除が含まれていると思います
耳掃除には耳毛処理も含まれていますので、プードルやシュナウザーなどの特定の犬種は耳毛を抜かれることが多いのではないでしょうか
当サロンでは耳毛は抜かずに、先端に丸みのある専用のハサミで切っています
以前は耳毛を抜くことが当たり前だったようですが、今は抜かないで切る、というサロンも増えてきています
これは、耳毛を抜くことによる弊害が明らかになってきたからだと思います
当サロンもオープンから半年くらいは、基本は切る
どうしてもうまく切れないところだけ部分的に抜く、といったことをしていました
でも、獣医師の先生のセミナー(ワークショップ)でお話を伺ってからは
耳毛を抜くことを完全に止めました
耳毛を抜くことで、耳毛の毛根部分に炎症が起きる可能性がありますし
何より、痛みを感じれば、わんちゃんは不快です
痛みに敏感だったり、そもそもお耳に敏感なわんちゃんが嫌な経験を積み重ねると
お耳掃除しようとしただけで暴れたり、お口を使って逃れようとするようになる可能性が高まります
そうなると、グルーミングテーブル上にいるわんちゃんも、お手入れするグルーマーもとても危険です
お耳掃除のメリットよりも、デメリットの方が大きくなってしまいます
もうひとつ、重大な理由があります
耳毛は必ずしも不要なものではなく、お耳の中をきれいに保つ上で必要なものだからです
2月8日のブログでご紹介したサイト【ペットのひふ科】
偶然!同じ日に「犬の耳の構造はどうなっているの?」というコラムが掲載されていました
このコラムの最後の方に「耳かきにご用心!」というセクションがあり
とても大切なことが書かれていますので、以下に一部転載します
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外耳道は耳介から連続した構造のため、基本的には皮膚にそっくりな構造を持っています。つまり、皮膚と同じように皮脂や汗の腺があります。いわゆる耳あかは、これらの分泌物と外耳道の皮膚の表面の古くなった角質とが混ざり合ったものです。
なんで耳の中に皮脂が・・・と疑問に思うかもしれませんが、実は耳の中の皮脂は外耳道を病原菌などから守る働きをしているといわれています。また、耳あかは基本的には外耳道から耳の外へ勝手に出て行ってくれます。耳あかがあること自体は特に大きな異常ではないのです。
なので!耳掃除のしすぎは逆に耳にとっては良くないことがあります。人間でもしょっちゅう綿棒で耳ほじりする人ほど、外耳炎になりやすいですよね。これは、耳の皮脂を取り過ぎてしまったり、耳あかがせっかく勝手に出ようとしているのに、綿棒で押し込んでしまっているからだと言われています。
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https://magazine.vdt.co.jp/2029/「犬の耳の構造はどうなっているの?」より転載
ここに書かれている通り、外耳道にはもともとお耳の中の汚れ(耳垢)を外に出そうという自浄作用が備わっています
この自浄作用をmigrationといい、migrationという単語には、移動する、移行する、という意味があります
日本語に訳しにくい言葉なのか、英語のままmigrationと書かれていたり、「ミグレーション」と書かれてるのを見たことがあります
本来の発音は「マイグレーション」ですので「ミグレーション」だとおかしいと思うのですが
「マイグレーション」という言葉はITや工業の分野でよく使われるため
混同を避けるために敢えて、ミグレーションと書かれているのかもしれません
……違うかな??(;^ω^)
お耳の中から耳垢を外へ排出するのに重要な役割を果たすのが、耳毛です
だからお耳の中をつんつるてんにしてしまったら、出るべき汚れ、出すべき汚れが出なくなってしまう、と考えるようになりました
では、そもそも、なぜトリミングサロンではお耳の中の毛を抜くのでしょうか?
以前、恩師と耳毛の話をしたときに、恩師も「抜くものだと教わった」ということでしたので
かなり前から、抜いて当然、と考えられていたことになりますよね…
ここで考えられるのが、垂れ耳・立ち耳問題です(笑)
垂れ耳のわんちゃんは、中が蒸れるからトラブルになりやすい ⇒ だから抜く
耳の中が毛でぼーぼーだと耳掃除しにくい ⇒ だから抜く
だったのかな、と想像しています
確かに、垂れ耳のわんちゃんの方が立ち耳のわんちゃんよりもお耳のトラブルは多いような気がします
ですが、立ち耳のわんちゃんにもトラブルは見受けられますし
お耳が立っているか垂れているか、よりも、どちらかと言うと
皮膚が良くないわんちゃんにお耳汚れが多い、という相関関係の方が強いように感じています
いずれにせよ、これまで学んできたことを総合的に考えると
耳毛を抜くメリットよりも、耳毛を抜かないメリットの方がはるかに大きい
と「私は」思います
だから、通気とお掃除に支障がない程度に切って、おしまいです
「耳毛をどうしても抜かなければいけない状態」にあるとしたら
それは治療が必要な領域、つまり獣医さんにお任せするべきではないかと考えています
すでに外耳炎を起こしているような場合、細菌感染も起きている可能性が高く、耳毛を抜く必要があると考えられれば獣医で処置してくださると思います
このような場合は、飼い主さまに「一度診てもらった方がいいですよ」とお伝えするようにしています
それ以外で、お耳汚れが耳介(耳穴から外側の大きなところ)についているのを見つけたら
お耳の自浄作用が正常に機能しているという証拠ですよ~
軽く拭きとってあげてくださいね~
とお願いしています
なんだか難しい話になってしまってごめんなさいm(_ _)m
サロンに来てくださるわんちゃんのお耳のこと
こんな風に考えているんですよ、ってお伝えしたくて長くなってしまいました💦
「目は口ほどにものをいう」と言いますが
犬に関しては、立っていても垂れていても
「耳は口ほどにものをいう」と言えるくらい、表情豊かで楽しいな~♪と思います(*´▽`*)